2006/08/01 Tue

筋肉系物語



左の親指の付け根あたりの、肉球の親分みたいな部分が一日中ピクピクしてました。
今も時々ピクピクしてます。


血が沸いて肉が躍って骨が折れて夜が更けて。
朝になったら私は真っ白になっていて。
この気持ちは何だろう。
すべては肉球の親分のせいです。

もしかしたら手の中に何か入り込んだのかもしれない。
この動きは、ハムスターのお腹の動きに似てる。
飼ったことないけど似てる気がする。

でも入り込んだのがハムスターならもっと動き回るはず。
左の掌から手首に移動し、腕を通り肩を通り、顔の皮膚の下を通って右の肩に向かう。
なんかハムナプトラに出てくる虫みたいだハム。
そんでもって最終的に滑車を回すよハム太郎。

おもいきって、開いてみようか。
もしこのピクピクの原因がハムスターなら私は諦めよう。
「ハムスターっていうのは本来そういう生き物だから」と。
もしこの原因がハムスターじゃなかったなら私は諦めよう。
「ほらねやっぱりハムスターなんて入ってないよ、まぁ当然だけど」と。

私は信じます。
この左手の肉球の親分の中には、ハムスターが一匹。
血管や筋肉に足を取られ動けずにもがいている。
苦しくて苦しくて、寂しくて。
誰かに気付いてほしくて一生懸命呼吸と微動を続ける小さな命。
私の手の中にはハムスターが入っています。
私は信じています。


そんなことを考えてるうちにピクピクは止まってしまいました。
中のハムスターは死んでしまったのでしょうか。
もうあの時は戻りません。
さようなら。
ありがとう。
ピクピク。


posted by あいだ at 19:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 空想する