レポートのために借りた本の返却日。そして厄日。
図書館までは自転車で行ったのだ。二十分強。徒歩だと四十分、電車でも結局三十分歩いて百二十円かかるからな。いつまでも空気を入れてもらえない愛車で行ったのだ。かわいいかわいい言うけど世話はしない飼い主。たぶん今日は、自転車の恨みがばくはつしたんだ。
まず駐輪場から自転車を出した直後、上の階からゴミを落とされた。「おねーさーん」とか何とか、少年数名の声がした。かすりもしなかったからいいけれど、モノによっちゃ部屋番号調べて郵便受けに腐ったナマコ詰め込んでたよ。まぁそれはいい。おねえさんと呼ばれたのが結構嬉しかったのだ。
で自転車をシュコシュコ漕いで図書館に着いた。で帰る。人少なくて道が広いからって遠回りして線路沿いを通って来たんだけど、たまには優雅に大通りの歩道を走ろうぜってことにして信号を渡った。街路樹の脇をすいーっと通ると頭に何かを引っ掛けた。ん?ってしばらく漕いでたら頭のモノが腿に落ちてきた。幼虫。木にぶら下がってたなんかの幼虫。レギンスの上で蠢いている。這い寄る混沌。ヒッ!ウヒィ!とか言いながらあたふたしてしまった。ここ瞬間最高女子率。人の家路を邪魔するやつは馬に蹴られて死んでしまえ、とは言っても幼虫相手に何ができましょう。それでも魚類の端くれか、虫なんか食ってしまえ、とは言っても、手で払うのも嫌なんです。ゴキブリは素手で掴めても幼虫・芋虫の類は視界に入るだけでダメなんです。そもそも魚類じゃないし。このまま幼虫ごときに犯される自らの肉体を傍観するしかないのか?そんなのはイヤ!ってカバンから適当にモノを取り出して払った。とっさに下敷きを掴んだのはナイス判断。払ったと思ったらしぶとく糸で繋がっててまたパニックに。勘弁してくれ。幼虫が地面に落ちたのを確認した後、渡ったばかりの信号を引き返し、結局線路沿いの道から帰りました。もういかなる木の下も通らない。七・三一の誓いであった。
涙目で自転車を漕いでたら後輪の圧力が明らかにおかしい。行きはこんなんじゃなかったぞ。ほんともうガコガコになってしまって、しようがなく押しながら帰った。やりきれなくてTシャツ二枚を衝動買い。店内で子供に道を塞がれる確率が半端じゃない。うまく歩けない。歩いても止まってもいいことなんてないんだぜ。どうすりゃいいんだ!もう寝るっきゃないじゃん。で、そんな日に限って寝れないんですねー。明日は早起き。朝もゆっくりできない。タイミング悪いね。数ヶ月間で二回フラれたのもすべてタイミング。デジャヴすぎてリアクションすらできないわ。慣れってこわい。
一番かわいそうなのは自転車ですね。今度生まれてくる時は、私の自転車にだけはなるんじゃない。