さすがにもう正月気分は抜け出して、今度は四月くらいの気分。新しいことを始めてよく分からないテンションになっている。プラスとマイナスの変動が激しい時期だ。右も左も分からない中で、友達ができて嬉しくなったり、失敗してへこんだり、一日の中で進んで退いてを繰り返す。そんな不安定な時は、お風呂に限るね。
しかし平和なはずのお風呂ライフが、年明けて一ヶ月で劇的に変化してしまった。一つは、換気扇を回さなくなった。重度の怖がりのせいで換気扇を回さないでお風呂に入るなんて考えられなかった。無音と水の音がなんか怖いじゃない。日中に怖い話を聞いたり怖い動画を見た時なんかは、必要最低限のことを済ませたら逃げるように上がってしまう。浸かってられない。ずっと鳥肌立ってて温まらない、鏡が見れない…。換気扇の音がないと、聴こえちゃいけないものが聴こえそう、無理無理。そんな換気扇生活を十年以上送ってたんだけど、最近になって「冬は換気扇を回さない方がよい」ということに気付いた。換気すると冷たい空気が入ってくるので湯が冷めやすい。なるほど。盲点だった。私はほぼ一番風呂をいただく上に長風呂だから、換気扇を回さないだけでも随分と違うはず。勇気を振り絞って換気扇回さないで入ってみたら、意外とイケたんだよね。もう小学生じゃないんだから当たり前だけど。そして換気扇を回さなくなった結果、お風呂で歌わなくなった。これがもう一つの変化。今まで入浴時間の半分以上は歌って過ごしていたのに、換気扇の音がなくなると外に私の醜い声がだだ洩れな気がして歌えなくなってしまった。歌えないお風呂なんて、椅子のない映画館みたいなもの。みじん切りのタマネギが入ってないカレーみたいなものだ。歌ってないと怖いこと考えちゃうから、入浴中は心を無にすることを心掛けるようになった。しんみりと水の音を聴く。大人の嗜み。……何だか、変な方向に成長してるような気がするけど。
ついでにお風呂の中で腰を振り続けるよく分からない運動を再開させた。で、お風呂上りには筋トレすることにした。昆虫のような腹筋を目指す春休み。冬眠してると思ったら大間違いなんだからねっ。