行き当たりばったりで変なとこまで行った一日。
私の予定は通常通り、四限の授業を受ける、これだけでした。それが思いつきで学校行く前にT君と昼ご飯を食べることになったのです。ここまではまぁ想定の範囲内。駅前のマックでたまごダブルマックを頬張った後、さらなる思いつきで、T君がうちの大学まで来ることになりました。
専門学生のT君は以前から大学に興味があったようで、付き合う前にも嫌がらせ…冗談のつもりで試験問題をメールで送ったら「すごいよあいだ!これおもしろいね」と予想外に感動されて罪悪感をおぼえたことがあります。あぁ、大学っていう機関は本来こういう意欲的な人のためにあるんだろうな…。いろんなものが珍しいらしく、駅に着くなり「これみんな大学生?すげー」と謎のテンション。
とはいえ今から受けるのが語学だから潜入は難しいし、一緒に受けられる面白そうな授業も知らないし、そもそも教室と研究室くらいしか使わないから見所なんてわかりません。とりあえずあっちが生協こっちがトイレと手短に案内して、終わるまで適当に歩いてなさいとT君を放流して授業へ(ほとんど寝た)。友達と別れてから迎えに行くと、「たいしたことないとこに思えてきた」……うん、そうですよね。とくに案内もせずそのまま帰りました。行きであんなにはしゃいでたモノレールも「普通の電車だな」……全く仰る通りです。
帰りの電車、夕飯を外で食べるというT君に、思いつきでうちで食べたらと吹っ掛けました。思いつきこわい。それでも前々から両親に会いたがってたし、そろそろ親にも話そうと思ってたし、いつも私ばかりお宅でご馳走になってるから「人を連れてく」とだけ家に連絡して夕飯に招待することになりました。もちろん自分の部屋に入れる気は毛頭ないので、いい時間になるまでショッピングして、緊張死しそうなT君を引っ張り帰宅。私はわりと緊張せず、というか唐揚げ・豚カツ・ペペロンチーノに夢中で、ほとんど母が話して、三人で盛り上がってるのを横目で見てるくらいで、時々母が余計な情報を暴露しそうになる以外は、冷や汗の絶えない穏やかな晩餐になりました。ケーキも食べられたし。
恋人ですなんて紹介してないし突っ込まれないけど、ちゃんとわかってんのかな?普通に友達だと思ってるかな?と心配してたら帰り際ちゃっかり「別れてからも来ていいからね」と言われ、母こわい。父が車で送ることになった時、T君から「お父さん大好きなんだけど」とまさかの告白。昔から男の子にモテる父。お父さんを僕にください!とか言われかねません。そしたら私はお父さんが二人になるのかな、それともお母さんが二人になるのかな……。
かくして私はこの日から部屋掃除に熱を入れるようになったのです。