朝から姉が暇そうだったので一緒に近場のデパートへ出掛けてみた。大学三年生で部活と楽団と小中学校のボランティアをやってる多忙な姉は、ほぼ毎晩私が就寝する頃に帰宅し、朝は早く出掛けるか昼頃まで死んだように寝てるかで、私とは全く会わない日も珍しくない。そんな姉妹の、どうでもいい会話、本日編。まずは行きの「日曜日だし混んでるかなぁ」という何気ない会話から何故か、混んでる→コンドルを連想し、「コンドル飛んどる」というどっかの芸人のラップみたいなくだらない洒落が生まれる。これにもう一つ「〜ドル」の言葉があったら語呂いいなってことで「コンドル・飛んどる・ヘコんどる」に進化させ、あ、こうしてちょっと哀愁を加えるとさ、あれだね、なんか『白鳥は哀しからずや…』の短歌っぽいよね、若山牧水の。そしてこの話は今日一日ずっと、二時間おきぐらいに振り返されていた。で、その歌って、確か空と海の真っ青な景色の中を白い鳥が一羽だけ飛んどるって歌よね、後半どんなだっけ?『白鳥や哀しからずや…』えっと…。いや、そんな頻繁に『や』はないよ。で、続きは?えー…、『白鳥や哀しからずや寂しからずや』?いやいや、どんだけ白鳥の心配してんだよ!「白鳥、大丈夫?哀しくない?寂しくない?ちょっと休めば?無理しないで日陰でしゃがんでなよー」みたいな事になっちゃうじゃん。あんた白鳥の何だよ!…そんな感じで、クオリティの低い会話でしこたま盛り上がってたんだけど、歩いてるうちに何とか『白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも…』まで思い出せた。あぁ、あと少しなのに!あと七字!すごくモヤモヤする!それで帰宅したらすぐに文学史の本で調べて、あったあった、『…海のあをにも染まずただよふ』だって!そいつぁすげえや!
ほんっとくだらねえ。で、結局『コンドル・飲んどる・ヘコんどる』の方がストーリー性があっていい、という結論に至りました。終わりです。ほんっとくだらねえ。これこそまさに十八と二十一の娘の日常会話。さすがに文学的ですな。
他にも売り物にいちいちツッコミ入れてみたり、クォーターパウンダーのチーズ抜きを執拗に要求されたり、子供向けのシュールなイベント(タウンページ早めくり競争)を傍観したり、本屋で必死に聖おにいさん三巻(来月発売)を探したり、姉が自転車を買って帰る途中に接触事故起こしたり、私が自転車のタイヤに空気入れてる時に「ちょっと一回全力でやってみ?」って五回くらい怒濤の勢いでシュコシュコやらされたり(でも結局前輪はベコベコのまま)いろいろあったんですが、どれもくだらねえのでお蔵入り。何だかんだ言って姉と会話する時が一番自由に、ありのままで話せてると思います。私の本気のフリートーク、ほんっとくだらねえ。