靴を履いたり地面を歩いたりすることに違和感を覚える。月曜日が休講だったので土日と合わせて三連休。食事風呂トイレ以外はこれといって部屋から出ない三日間のプチ隠居生活。これが十代として最後の休日だった。そう言うと何だか名残惜しく聞こえるが、人生のほんの一部の時間軸を切り取って、その中で最初だ最後だ言うことに何の意味があるのか。そう思えるのは私もまた根拠のない自信から己を当然のように長生きする生き物だと思い込んでいる一匹に過ぎないからだ。仮に明日死ぬと知っている昨日があったとして、やはり私は一人SM〜軟禁・断食編〜をエンジョイしていたに違いない。だからいいの。惜しんだりなんかしないんだからねっ。
深い人間でいい。奥が深い、味わい深い人柄、なんかではなく、深い井戸の底に一センチだけ残ってる水のようなものでいい。暗くて底が見えず、踏み出すのを恐れて誰も近寄らないような、そんな存在でいい。それでも近付いて、足を突っ込んで、灯りを照らして「なんだ、そんな深くないじゃん」って飛び込んできた人を逃がさない。こんな果てしなく手間のかかることを望む私はやっぱり、当分死ぬ気はないんだなぁ。