暇つぶしに携帯をいじる人は多いですが、みなさんその端末で何をなさっているんでしょう。私はよく俳句や短歌を考えています。
「作ろう」と思って考えるわけではなく、「この言葉で作れそうだな」と思い付いたときにはじめて創作意欲がわきます。とりあえず使えそうな言葉をメール画面に打ち込み、言葉を足したり引いたりして完成させます。時には鞄から電子辞書を出して、類語辞典や歳時記で当てはまる言葉を探したりもします。パズルみたいで結構はまります。
早くて十五分、思い浮かばないと家に着くまで時間がつぶせるので、なかなかいい暇つぶしになります。
何気なくメールを読み返していると、ツイッター投稿用のアドレス宛の未送信メールがありました。保存日時は2011年12月24日の午前11時。この日は動物園に行った日で、この時間は駅でT君を待っていた頃です。
クリスマスイブ、手作り弁当こしらえて、そわそわしながら彼を待つ――そんな乙女チック満載なシチュエーションで、待ち合わせの暇つぶしに詠んだ歌がこちら。
寒すぎて服着にけらし白妙のパンツ一丁赤の首巻き
寒空の下で白いパンツと赤いマフラー、紅白の対比が見事な、最悪のパロディ。元ネタは言うまでもなく小倉百人一首「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」の歌。たしか十分くらいで作りました。元の語感を活かしながら、初夏の歌を真冬に使うあたりに、私の奇抜な才能を見出だせばいいと思います。