古いものほど執着してしまうタイプ。幼稚園の頃に買ってもらったボロボロのぬいぐるみと未だに寝ていて、小学生の頃のランドセルを残していて、歳を重ねる毎に捨てられないモノが増えていく。
家電も同じで、どんなに型遅れだろうと愛着がある限り、なかなか新しいものに替えられない。Windows2000からXPにする時も随分渋ったもんだ。携帯の機種変更の度に、まるで地元に彼女を残して渡米するミュージシャンのごとく、これぞ人生の岐路とでも言うかのように苦悩してしまう。
そんな私が四年間使ったガラケーW62SAについて勝手に語ります。
出会いは2008年4月。三洋ブランド最後の携帯(以降もSA機種は出てるけど京セラ製)。流行を逆走し、たっぷり2センチという分厚さ。決してスタイリッシュとはいえない外観。それでも、これ以上の機種はないと断言できるくらい気に入っています。
まず防水。何度風呂場に持ち込んだことか。高校時代、制服のポケットに入れるには重すぎたため、握りしめていることが多かったのですが、夏の手汗も雨粒もへっちゃらでした。私の部屋だけテレビがないので、ワンセグも役に立ちました。出先で笑点を見たり、マニアックなアニメを見たりしてました。
一番の魅力は、メールや文字入力関係がとても使いやすいこと。私の場合3000〜10000字の長文を打つ機会がかなり多いため、長文をストレスなく入力できるのはもちろん、クリップボードの使い勝手なんかも重要。あとブログやツイッター投稿用のメールは他の人に見られたくないので、プライバシー登録したアドレスを非表示にできる機能は地味に重宝する。「メール#34暗証番号」のショートカットで五秒もあれば画面を見ずに隠蔽可能。こういう手探りショートカットはタッチパネルじゃできないんだよね。これなら安心して官能小説も書けます!
FMトランスミッター+SD Audioプレイヤーのコンボにもお世話になりました。今は大容量のiPod touchがあるけど、FM聴けるウォークマンをメインで使ってた頃はかなり便利でした。
それと電池持ちが超いい。電池残量1まで減ることってほとんどなかったし、週2〜3回充電すれば余裕。小旅行なら充電器いらず。無料で電池パックもらえたけど結局使わず、初期の電池パックで十分でした。
あとはそうだな、精密機器とは思えないほど頑丈だった。何十回もコンクリートに落としたけど、何の異変もなかった。落とさなくてもフリーズや重くなったことって一度もないな。持ち主より頑丈なんじゃないか?見た目通りどっしりしてました。
ただ197万画素のカメラは、画質悪いしシャッタースピード遅いしで、あまり使わなかったな。それ以外は本当に、これ以上ないくらい誠実な良機種だったと思います。機械に誠実っておかしいけど、この表現の方がしっくりくる。
傷だらけでシートキーも手垢まみれ。いい相棒でした。四年半もの間、付き合ってくれてありがとう。