(※図1)
ひとり、青春18きっぷの旅。
前回一日目で書いた通り、月曜日は卒論提出、火曜日は母親と学校へ、木曜夜のバイトは外せない。また、ケチって鈍行列車を選択したため、火曜日と木曜日は移動でほぼ潰れてしまう。
自由な時間はとても少ない。
せめてあと一日あったら、大阪あたりまで足を伸ばして、ひとりUSJにも挑戦してみたかったんだけど。
行き先に名古屋を選んだ理由は、まずひとつ、行ったことがなかったから。
ひとつ、「時間はないができるだけ遠くに行きたい」……この条件に合うちょうど良い距離で、移動の六時間はギリギリ許容範囲内だったから。
ひとつ、行きたい名所が名古屋駅周辺に固まっていて、移動に時間をかけず回れるから。
そしてひとつ、
会いたい人がいたから。
― 12月12日 水曜日 ―
・朝8時半、小倉あんトーストを掻っ込む
名古屋といえばモーニング。
丸の内駅から伏見駅へ向かい、ボンドコーヒーでコーヒーと小倉あんトーストを注文する。
冷え込む朝の空気を陽射しが和らげて心地好い。大通りから少し外れた喫茶店。
落ち着いた照明と静かな店内。これぞ大人の朝の過ごし方……
写真は一切れ食べてから撮ったので、実際は三切れあった。
普段お茶碗半分の朝食に30分かける低血圧野郎で名を馳せている私が、この量、しかもつぶ餡ぎっしり、濃厚な甘さ……
優雅さの欠片もなく、ハフハフと必死に詰め込み、ほっぺたパンパンにして支払いを済ませて店を飛び出した。
手羽先といい味噌といい、名古屋の名物ってなんで重いものばっかりなの?
・朝9時半、名古屋市科学館のチケット行列に並ぶ
またしても「特技:早歩き」が発揮され、ギリギリ間に合ったようだ。
名古屋で一番のお目当て、プラネタリウム。
販売開始直後のチケット売り場には、既に30人は並んでいた。平日だからと甘く見ていた。無事に午後の回のチケットを二枚買えたので、ひとまず安心。
調子に乗って球体をバックに自分撮りをしてみたり。
ここらでようやく「名古屋にいるんだ!」「しかもひとり!ワーイ!」と実感が湧き、爽やかな朝の空気もあいまって、テンションがやたら高かった。キャー!って叫びながら地面を転がりたいくらいの不思議な高揚感だった。
待ち合わせは11時。プラネタリウムの前に、昼食に連れて行ってもらう予定。
……小倉あんトーストがいまだに固形で食道に居座ってる気がする。
果たして一時間半後にランチなど食べられるのだろうか。とりあえず今の時点では、草一枚も食べれる気がしない。
・11時までのミッション 「腹を減らす」
という訳で、お腹を減らすため、少しでも運動しようと一駅先の名古屋まで歩くことにした。ナビによるとほぼ一本道、2.2km、徒歩25分。
いや、「歩く」など生ぬるい。伏見→名古屋→伏見→名古屋をダッシュくらいの運動をしないと、たっぶり濃厚あんこは消化できない。なぜもっと早く起きて食べなかったのだろう。
とりあえず早歩き。テンション上がってるので時々小走り。人目なんて気にしないわ。
「名古屋の人ってほんと味噌が好きなんだなぁ」と思ったが、この「みそのパーク」が「味噌のパーク」ではなく「御園(みその)のパーキング」であることが後に判明する。味噌のテーマパークかとワクワクしたのに残念。
それにしても、どんなに心細い時でもイオンの看板を見るとこんなにも心が安らぐのはなぜだろう。
さて、多少迷ったが名古屋駅に辿り着いた。この時点で10時半。
腹具合はどうかといえば……給食のあとの体育で走って横腹痛くなったみたいな状態。
残された30分間、少しでもお腹を減らすために、名古屋駅を小走りで往復した。「要領」というもんを知らんのか。
ハムスターのようにせわしなくチョロチョロする。この時計台を三回は見たのだ。人目なんて気にしないわ。
汗ばむほど必死に早歩きしたものの、結局たいして効果はなかった。むしろ動きすぎて気持ち悪くなってきた。まぁ、しようがない。やれることはやったんだ。
それから、
・11時、青色さんと待ち合わせ
時計台の周りは人がいっぱいだったから、すぐ横の派手な飾りつけの前で待ち伏せ。
こちらの目印はあえて教えず、「後ろから何かしてやろう」と企むも、飾りつけのハリネズミ(※図1)が可愛すぎるあまり撮影に夢中になってしまい、気付いたらそこらへんに青色さんが立ってた。
青色さんは、私がこのブログを始めてざっくり一年後、今からおよそ七年前にコメントをくれて、それ以来今日に至るまで何かと構ってくれる
とりあえず第一印象。
柄モノ好きすぎだろ!
・昼間、冬の夜空を鑑賞する
地下街を歩き、美味しそうなお店に案内してもらうが、とても胃が受け付ける状態じゃない。
先にプラネタリウムを見ることにして、名古屋→伏見を電車で移動。電車だとこんなに近いのか。
小学生の団体に混じって夜空を鑑賞した。
山頂でも都会でも、外気に触れて夜空に目を凝らすのが好きで昔からよくやる。
プラネタリウムの星空はどの星も一様に輝いて、ぐるぐると回転するふかふかな椅子、特徴的な声で語られるお兄さんの説明、「やべ、お腹鳴りそう」というささやかな葛藤……
外で星を見るのとは違う環境でも、宇宙に想いを馳せる時ほど心が軽くなる瞬間はないもんだ。
ミトコンドリアベーグルを買い忘れたのが唯一の心残り。
・マグロを食す
上映終了が13時半。いい時間になったので昼食のため再び名古屋へ。
地下街にあるマグロ料理屋さん。ここの看板娘が非常に麗しい姿をしていた。
食べちゃいたいくらいかわいいねー。
残念ながらランチタイムは終了していた。メニューの先頭にあった炙り丼を注文。
サーモンやカツオの炙りは食べたことあるけど、マグロの炙りってはじめてかも。ウチでマグロを食べるときは九割が生、たまにメジマグロあたりが照り焼きとかムニエルになって出される。
初めての炙りマグロ、
死ぬほど美味かった……。
逆に、なんで今まで食べなかったの?ってくらいの衝撃だった。
謎の食べ方をしていた青色さん、良い店に連れてってくれてありがとう。
・食後、名古屋駅を徘徊する
プラネタリウムを見たら他に特別行きたい所もなかったので、とりあえず名古屋駅周辺を案内してもらった。
学校帰りの寄り道とか、地元の友達ととくにどこにも行かない時に遊ぶような感覚で、そこらへんをウィンドウショッピングして回った。雑貨とか、お互いの欲しい物とかを見るあそび。もっとこう、七年越しの初対面なんだから積もる話もあっただろうに、まったく実のない話ばかりをしていたように思う。
写真もとくに撮っていないし、特記すべきことはないのだけれども、これはこれで楽しかったよ。人の興味のあるものを一緒に見るのは、自分の知らない世界を覗くようで結構面白かったりする。
16時頃になって、足が痛くなってきたので解散。ありがとなー!
・ひとり旅、再開
そんな訳で、思いがけず(と言いつつ計画的なものだけど)ひとり旅のはずが二人パーティーで街探索をしたのだった。ここからまた異郷の地にて一人の時間を満喫する。
星も見たし、青ちゃんにも会ったし、名古屋城は明日見るから、ほとんどミッションは達成したようなもの。プラネタリウムの中で予約したホテルは、何となく21時チェックインにしたから、それまでノープランでふらつくことにする。
とりあえず見かけたカフェ・ド・クリエで青色さんにもらった本を読みつつ一服。
何気なく頼んだアーモンドプラリネモカ。甘くておいしい。
私にしては珍しく、読みやすさを意識して改行を多用して綴っていたら、思いのほかスクロールバーがちっちゃくなってきたので、とりあえず一旦区切って次回へ続く。
次は二日目夕方〜三日目帰宅まで。
あとスクロールバーがどんどんちっちゃくなるし……
とりあえず「素敵な奥様」で我慢してもらうわけにはいきませんか。また今度会った時にはインタビュー記事のごとく事細かに書くので勘弁してください。
あっ!素敵エピソード思い出した!
紅しょうがみたいな頭だった。(追記)
次会う時は甘酢しょうがからナスみたいな色になってるかもしれませんね。もしくはカブ?いずれにせよ、青色さんの頭は漬物。お互い長生きしましょう。
初めて名古屋におりたった人は、同じようなコース回るんだな。
って、数年前の自分を思い出しました。
しかし、濃いですよね。味噌とか
味噌カツに味噌汁ついてきて驚きました。
味噌って言葉がゲシュタルト崩壊しそうになりますよね。味付けも濃いし量も多いし、胃袋鍛えないと名物制覇は厳しそうです。