夏休みの小学生を見習って日記を書こう。続くかどうかはわからない。見習うっていっても、最近の小学生って夏休み中に三日ぐらいしかラジオ体操やらないのな?毎日やればいいのにな?まぁその環境を与えたのは、ゆとり世代でも何でもないおばちゃん達なわけだな。
とにかく日記だ。小学生に戻ったつもりで、日記を書こう。
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検索欄に会社名を入れると「ブラック」というキーワードを自動で付加してくれる便利な時代。某掲示板での評判も悪く、社員のクチコミも悲惨。そんな会社に勤めて早四ヶ月。新卒の中で最も遅く配属され一ヶ月経過した今、ここは天国かと思うほど、恵まれた環境にいる。
自宅からの距離は遠く朝は少し辛いものの、職場に着けばこっちのもので、充実した環境の中で18時まで過ごせる。毎日怒鳴られるくらいの厳しい生活を覚悟していたのに、最初からこんなに快適な思いをしていいものかと不安になるほどみんな優しい。今の環境で唯一の不満といえば、こんな私なんかにはもったいないくらいに何もかもが優しすぎることだ。職場の人間関係も良好。食堂のおばちゃんや、保険の勧誘に来てるお姉さんとさえ仲良くなれそうなほど、いい人ばかり。すれ違う人みんな優しい。建物も新築でトイレに住めるくらい綺麗で、社員食堂は毎日ワンコインより少ない出費でご馳走にありつける。
そんな文句なしの環境にいながら、どこか馴染めずにいる。私ほど人とのコミュニケーションが下手な人間はいないんじゃかいかと思う。少なくとも私はお会いしたことがない。一対一だと話せるが三人以上になると話に入れない、何とか割り込もうとすると必ず誰かと被ってなあなあになったり沈黙になったりする、奇数で道を歩けば自然と一人で後ろを歩いている、その割に、仲の良い一部の人の前では調子に乗る。
記憶を辿ると、小学校高学年頃から既にこうだった。通信簿にはよく「大人しい」「休み時間はごく一部の子と教室で過ごしてる」「もっと元気に遊んで欲しい」とか書かれていたし、小学生の頃の「無表情」と「無口」が23年間で唯一男の子に付けてもらったあだ名。みんなはわかってないけど私はどこにでもいるような子とは違う、アホみたいに遊んだりなんてできないし、オトナだからもっと複雑なの。普通の子には理解できないのよ。わかる人だけわかればいいの。人と違う私すごいでしょ?ま、みんなにはわからないだろうけど!
それが個性だと勘違いしていた。