2013/02/16 Sat

天から授かりし堕落


 ベッドの中で下界の音を聴く。ああ、今日はなんて風が強そうなのだろう。髪が顔にまとわりついて、鬱陶しいにちがいない。そんな日には外に出ないと決めている私だった。

 それにしても「鬱陶しい」という言葉は、実によくできている。湿った樹海のようにややこしい字面を見ただけで、第三者までげんなりした気持ちにさせてしまう。また「うっ」と息の詰まった音と、「とーしー」という投げやりな音がつながって、吐き棄てるように呟くのが妙にしっくりくるのだ。あーうっとーしーな、もー。こうするととてもリズムが良く、いらいらしたときには思わず口ずさみたくなる。それだけで少し気が晴れる。
 最初に「鬱陶しい」と言った人はきっと、ちょうど今日みたいな、髪が顔にまとわりつくような風の強い日に、思わず「うっとーしー」と口走ってしまったに違いない。それぐらい、「鬱陶しい」という言葉は自然で、そして忠実に人間の複雑な心情を濃縮して体現している。マイナスな意味とは別に、実によくできたものだと素直に感心してしまう。

 きっと神様が作った言葉なのだろう。だからここまでしっくりと馴染むのだ。心の広い神様だって、時には忙しさに溜息を吐きながら「うっとーしー」とぼやくこともあるはず。そしてその溜息が、強風となって地上に吹くのだろう。これは神様が与えてくれた休息なのだ。だから、風の強い日には外に出ないと決めている私だった。
posted by あいだ at 09:43 | Comment(0) | 空想する

2011/10/23 Sun

帰路、駅のホームにて


自販機の貼り紙に「停電時には、あたたかくないものが出る場合があります」と書かれていた。


別にどこがおかしいという訳ではないけれど、何となく想像力を掻き立てられる書き方だと思った。電力の供給がなければ中の温度が保てなくなり、復旧直後のまだ規定の温度に達しない間に購入されると、ぬるい飲み物が出てくる可能性がある。ご了承ください。書き手の伝えようとしている意図は明確だ。ただ「ぬるい」という意味を「あたたかい」の否定で表し、さらには「飲み物」とさえ断言しないあたりに、私はセンスを感じる。

その状況になった時、きっとお金を入れてボタンを押した人は「あたたかい飲み物」が出てくることを期待しているはず。それなのに、期待とは違うものが出てきた。「あたたかい」の否定は、そんな機械の裏切りに「あたたかくなかった…」とガックリ落胆する消費者の立場をおもんばかる態度が表されていると思う。もっと言えば、停電した時間によってはぬるいどころか冷たくなってるかもしれない。「あたたかくない」はどちらの可能性をも示唆している。「ぬるかったらゴメン」といって冷たい飲み物が出されるよりは、ましな気がする。

さらに、「停電時」という状況を考えると、恐らく節電対策が実施されている冬の頃だ。暖房も制限されていることだろう。寒空の下、駅のホーム。自宅まではまだ遠く、列車もしばらく来ない。ふと横を見ると自販機があり、「あたたか〜い」の文字が誘っている。冷えた手で取り出される120円は、喉を潤す以外の目的をも期待してねじ込まれるに違いない。人がホットコーヒーを求める理由は「飲み物」としての役割に限られるわけではない。それを見越して、あえて「もの」とぼかして書いたのだとしたら、何て気の利く人だろう。


考えるにつれ、はじめは違和感をおぼえた「あたたかくないもの」という言い回しが、むしろ適切な表現であるような気がしてきた。「ぬるい飲み物」では言い表せない、思いやりと人間味を感じる。そしてたった一枚の貼り紙に対する考察で、小一時間ほど楽しめてしまう私は、なんて安上がりな人間だろう。宇宙は広がっている。こんな場所にまでも。
posted by あいだ at 23:06 | Comment(2) | 空想する

2011/05/31 Tue

後ろ向きに進んでいる


5月31日から誕生日までが一年で一番時間の流れを意識する。


年末年始みたいにまったり浸る感じじゃなくて、ゆったり自分を運んでいく川の中で、河口に背を向けて爪を立てて抵抗してる感じ。いつもさらさら穏やかで、何の疑いもなく身を預けてる水の流れが、この時だけやけにもったり重くて、ぬるくて、音もない絶望的な力に、この流れに抗うことはできないのだと思い知らされる。

きっと私は年をとる日に、川底の大きな石に足元を浮かされるのに似た感覚を味わうんだと思う。直前の焦り、一瞬の浮遊感、それを過ぎてしまえば元と変わらない川の流れ。昔はもっと嬉しくて、楽しいものだったんだけどなぁ。

しばらく流されてから水深の変化に気付く。もうとりかえしがつかなくなってしまった。だけどそれも長くは続かない。のんきな空を見て、足の届かない川で、流されるのも悪くないな、と思い始める。時々石の存在を思い出して不安になるけど、流れを早く感じてるうちは、たぶん上流に手を伸ばそうとはしない。無駄だから。


それでもこの時期だけはあがいてしまう。水を掴んで、すがっている。
posted by あいだ at 23:59 | Comment(0) | 空想する

2011/05/12 Thu

視力はそのままだからとてもぼやけるのだ



「お客さまをお送りするので、私をタクシーと呼んでください」

電車を利用する方はご存知かもしれません。ベルリッツの広告。あなたの英語はこんなふうに聞こえてるかもよ、ってやつです。最近はこのパターンしか見ませんが、以前はこのシリーズの「お前は何者ですか?」を見る度に笑いを堪えるのに必死でした。


広告って一発気を引ければそれで役目を果たしたようなもんだから、まじまじとあら探しして揚げ足とるのは野暮ってやつで、どんなにうまい指摘しようが気を引かれてる時点で広告の術中にはまってるんだよ。だから「この広告は不自然」なんて英語力アピールはしないけど、あえて言うなら、この広告の中島敦似の男性が本名タクシとかで、お客さまをお送りする際に車内で気まずくならないよう、少しでも打ち解けようと、自分の名前とタクシーをかけたジョークを言ったつもりだとしたら? あるいは本名は全く違うけど、会社では(私服でタクシー運転手みたいなベストを好んで着ることから)陰でタクシーと呼ばれていて、「陰口とか全部聞こえてますけど?」的な皮肉を込めた上での台詞だとしたら? またあるいは、私はこの説が最も有力だと思うんだけど、ある時はサラリーマン、またある時は中島敦のそっくりさん、そしてその正体は正義の味方タクシーマンだとしたら?「助けてタクシーマン!」と叫ぶと、みなぎる営業パワーによって彼の特注スーツがシャキンシャキン!とメタリックに変形、通常のサラリーマン型からタクシー型に変身し、四肢にはタイヤ、背中にはメーターが現れ、さらにはメガネの度が上がるなど、とにかくもうすごいことになるのだ。それらを踏まえての「私をタクシーと呼んでください」だとしたら……!?


広告っていい暇潰しになるよね。
posted by あいだ at 22:22 | Comment(0) | 空想する

2011/02/18 Fri

みんなが塩とか砂糖なら私は白湯になる


犬って、飼い主が自分のフンを始末している様子を見てどう思ってるんだろう?


∪・ェ・∪ ご主人さま、いつもありがとー!
∪・ェ・∪ でもなんでひろうの?それどうするの?あつめてるの?
∪^ェ^∪ 今日もたくさん出したよー!うれしい?うれしい?ほめて〜!


趣味は動物にアテレコして妄想で勝手に会話すること。あいだです。犬って無邪気でかわいいですよね。というより動物はみんなかわいいですね。以前は「人間以外の」という条件付きでしたが、最近は人間もわりかしかわいいんじゃねえかと思えてきました。もちろん「私が許容できる範囲の」という条件付きですが。何にしたって差別ですね。しかし我ながら許容範囲は広いほうだと思います。だって毛虫を口の中に捻じ込まれでもしない限り、本気で怒ったりはしないもの。


いやはや、こんなくだらないことをここに書き続けて六年目になりました。有益な情報や人と語らえる趣味の話など何一つないけれど、このネチネチと悪意に満ちたネット界隈、私のばかばかしい話で少しでも脱力していただけたら幸いです。それじゃ、愛犬の散歩に行ってきます(脳内で)。
posted by あいだ at 19:28 | Comment(0) | 空想する

2010/07/28 Wed

暁に産卵する虫



突然ですが君たちにはいつも感謝しています。本日もその「何言ってんだこいつ」の目で冷たくあしらってくださることを期待します。そう、眠れない夜に誓ったんだ、僕は何かを成し遂げるまで恋人は作らない。


……はい、早速冷たい視線どうもありがとうございます。作らないじゃなくて作れないんでしょ?とかそんなことは大事じゃあない。作らなかったという結果に至るなら同じこと。性別を指定しないところがミソですね。たとえ慕ってる女の子から告白されることがあったとしても、「じゃあ一回だけ…」などとは言わず、優しく丁寧に断りますとも。そして何で急にこんなことを思い付いたかっていうと、きっと私、ありきたりな女の子になりたくないんですね。

……はい、はい!ありがとうございます!その蔑むような視線が何よりのご褒美です!私が男性だったら「彼氏欲しー」しか言わない子イヤですよ。まぁ私が男でその子が可愛かったら「じゃあ一回だけ…」ってなるかもしんない。抱かれたい芸能人とかを訊かれて平然と答えられる女の子にもなりたくないんです。目に映るオスを全部イエス・ノーで判断するみたいなのは、それはそれでいいのかもしれないけど、とりあえず私には似合わないのでやめとこーやってだけの話です。そういう子がいるのは別に否定しません。みんな好きなように生きればいいと思う。

だいたい好きだから→告白しようっていう発想が当たり前すぎる。忍ぶ恋や恋煩いなんてもう死語ですか。別に流行る必要もないけど、もう少しこう、片想いの時期を楽しまないともったいなくないですか。実らなくても好きになってよかったって思えたらいいじゃない。わかんねーよって人はハチクロを百回読みましょう。いま私が「好きなひと」で真っ先に思い浮かべるのは友達の女の子で、所有する予定も勝算もないけれど、彼女に恋してから世界がキラキラしてるし、あの子が惚れちゃうくらい優しくて頼れる紳士になろうと思えるんだ。普通じゃなくても、間違ってるなんて言われる筋合いはないでしょう。まぁ本音を言うと、ちょっとぐらいスキンシップしたいっていう気持ちもなくはなく……はい、期待通りの氷点下のまなざしありがとうございます!もうほんとその、蟯虫を見るかのような目が我々にとって何よりの……えっ?靴を舐めてもいいんですか!?



変態という名の紳士にならなれそうです。

posted by あいだ at 14:03 | Comment(0) | 空想する

2010/06/01 Tue

ディープワン・ミーツ・オンリーワン



靴を履いたり地面を歩いたりすることに違和感を覚える。月曜日が休講だったので土日と合わせて三連休。食事風呂トイレ以外はこれといって部屋から出ない三日間のプチ隠居生活。これが十代として最後の休日だった。そう言うと何だか名残惜しく聞こえるが、人生のほんの一部の時間軸を切り取って、その中で最初だ最後だ言うことに何の意味があるのか。そう思えるのは私もまた根拠のない自信から己を当然のように長生きする生き物だと思い込んでいる一匹に過ぎないからだ。仮に明日死ぬと知っている昨日があったとして、やはり私は一人SM〜軟禁・断食編〜をエンジョイしていたに違いない。だからいいの。惜しんだりなんかしないんだからねっ。


深い人間でいい。奥が深い、味わい深い人柄、なんかではなく、深い井戸の底に一センチだけ残ってる水のようなものでいい。暗くて底が見えず、踏み出すのを恐れて誰も近寄らないような、そんな存在でいい。それでも近付いて、足を突っ込んで、灯りを照らして「なんだ、そんな深くないじゃん」って飛び込んできた人を逃がさない。こんな果てしなく手間のかかることを望む私はやっぱり、当分死ぬ気はないんだなぁ。
posted by あいだ at 22:22 | Comment(2) | 空想する

2010/05/20 Thu

小さな議題の大きな学会


いつの時代も学生の三大悩み事といえば、「授業中の居眠り・すぐお腹が空く・お腹がよく鳴る」これに限る。それ以外ある?ないだろう。この永遠の悩みを解決することこそが学業の最終目標であり、実際私は学校にいる間「なぜ授業中の居眠りは止められないのか」「なぜお腹が減るのか」「なぜお腹が鳴るのか」という疑問を常に自分に投げ掛けている。これら人類最大の謎を解き明かすためのヒントを得る手段として、人間は医学や法律や文学や芸術を研究するんだ、と思うんだ。

私が最近辿り着いた解釈はこうだ。まず物を食べる。で、中の人たちが、食べた物を消化するために胃に集まる。とくに私の中の彼らはバカだから、授業中にも関わらず脳を働かせる仕事も忘れて一心不乱に消化活動に励む。食べ物最優先とは何と卑しい!誰に似たんだか…。手薄になった頭は休息してしまう。これが居眠り。眠っている間にも彼らはバカの一つ覚えでとにかく胃の内容物を吸い尽くすことに夢中になる。ダイソンにさえ劣らない吸引力であっという間に胃の中は空っぽになる。そして各々が持ち場に戻り、本体である私をガクッと揺らして目覚めさせたところで、彼らは勝利の雄叫びをあげる。…これがお腹が鳴る原理だと思う。私が必死でお腹の音を教室に響かせまいとしている間、腹の中では「もう終わったよー!」「褒めて褒めてー!」などとのんきに騒ぎ散らしているのだ。もしくは「次オッケーっすよー!」っていう合図。私が我慢すればするほど奴らは「あれ?聞こえてないのかな?」とさらに激しく鳴らし続けるのかもしれない。何というありがた迷惑。食べて三時間で空腹って…。もっとゆっくりじっくり消化してくれよ!そんなにアピールしたって褒めてあげないんだからね!

でもちょっと憎めない存在になってきた。目標達成は近い。

posted by あいだ at 22:22 | Comment(2) | 空想する

2010/05/16 Sun

人に言われて一番イヤになる言葉


「意外だね」


クッソヤローてめーって思ってしまう。この台詞って、たいてい微妙な知り合いに言われるんです。そしてこの台詞って、たぶん私の言動が相手の想像していた私のイメージの範囲を超えた時に言われるんです。私は人一倍人見知りで、初めて会ったような人の前ではあまり自分を曝け出さないんですが、ちょっと慣れてきて「音楽はロックが好きですよ」なんて言った途端に「へー、意外だね!」……ほらね、おいコラ待てコラわしの何を知っとんじゃコラって思うでしょ。だって相手は、それまでの私の言動から勝手な憶測で「あいださんってロックとか聴かなそうな性格」って思ってたんでしょ。数少ない会話から私の趣味性癖まで妄想して、その妄想とかけ離れてたから「意外」なんでしょ。妄想野郎おいコラ。テメーの短い人生で人間の性格のパターン全て知り尽くせるとでも思ってんのか。だいたいロック聴かなそうな性格ってなんだよ。性格と趣味は関係ねえだろうがよ。ロック聴く奴が全員皮ジャンでギター振り回すとでも思ってんのかよ。ピザ好きな奴が全員太ってるとでも思ってんのかよ。アンタにゃロックより演歌がお似合いよってか。「高校時代は茶道部でした」って言った時の「あぁ納得」みたいな態度はなんだよ。私に対しても茶道に対しても失礼だろうがよ。茶道だってこんな小娘に容易く嗜まれるほど甘いもんじゃないんだってことも知らないくせに。茶道部の活動が正座で反復横跳び三千回とかかもしれないでしょ?知らない世界のことを勝手な妄想で決め付けるのはよくないよーってことです。これずっと言いたかったんだ。

ちなみに人に言われて一番嬉しい言葉も「意外だね」です。とくに、普段よく話してる仲良い子から「えっ、そーなんだ!知らなかった!意外!」って言われるのが好きです。人の意表をつくのが好きなんだ。全身ギャップ人間でありたい。人生何でも面白い方にかけようぜ。
posted by あいだ at 19:15 | Comment(4) | 空想する

2010/03/19 Fri

イヤーウォーズ


世の中には二種類の人間がいる。耳を動かせる人間と、そうでない人間だ。


私は後者である。動かせた試しがない。しかし動かせる人がいるということは、人の体は耳の動きを制御する構造を備えているはずだ。筋肉とか、神経とかそういうものが。もしかしたら耳を動かせない人はその構造自体が先天的に欠けているのかもしれないが、それを備えている人だって、始めから自在に耳を動かせる訳ではないのではないか。ならば私は生まれつき耳を動かせない運命を背負っているのではなく、耳を動かす方法をまだ体得していないから動かせないだけという可能性も考えられる。今からだって訓練すれば筋肉だか神経だかを操れるようになるかもしれない。それに気付いた私は早速鏡と向き合い顔の筋肉という筋肉を動かしてみた。どこかの筋肉が耳と連動していないか。眉毛や口角を上下させ耳の反応を窺った。……耳はぴくりとも動かなかった。

私は、自分の耳を意のままに操ることができないのだ。耳は私を主人と見なしていない。ということは、耳は誰に従うのだろう?私でないとしたら、一体誰に?どこか離れた場所から遠隔操作を行う者がいるのだろうか?それとも、それは私の体の中に潜んでいるのだろうか?目的は何だ?敵か、味方か?今こうしている間も奴らは耳を通して私の意識をモニターしてほくそ笑んでいるのかもしれない。今は耳だけだが、そのうち目を、鼻を、口を、手足を、やがて脳を支配され、そして


そこまで考えるとあらゆる感情が津波となって押し寄せてきた。自分の体が自らの制御下にないことに対する恐怖。一刻も早く耳を動かせることを確認しなければという焦り。そして体内に潜む異物への果てしない憎悪。人は、支配できないものをおそれる。何もかも配下に置かないと気が済まない。こうした潜在的な意識が戦争を引き起こさせるのかもしれない。「耳を動かせるようになって自慢したい」……そんな些細な欲望が、人畜無害と評される私に危険思想を植え付けてしまうなんて!なんかもう、今のうちに自首とかしといた方がいいですかね?

posted by あいだ at 22:22 | Comment(0) | 空想する

2010/03/13 Sat

幸せになる道には二つある


たいていの不幸は、下痢が止まらない状態に比べれば遥かに幸せである。
あいだ[1990〜]



まいっちゃうな。どうして次から次へと名言を思い付くのだろう?私の頭の中では真理の泉が湧いてんじゃないか?これって真理だと思うんです。下痢が止まらない状態ほど最悪なことって、せいぜい五年に一度起こるかどうかだと思うんです。時間を隔てた不幸の比較は難しいかもしれませんが、だって仮に自転車盗難とひどい下痢が同時にきたら、「自転車なんてどうでもいいから下痢どうにかしてくれ!」って祈るでしょう?貴方が現在ひどい下痢に悩まされていないなら、美味しい白米をお腹いっぱい食べられたり、温かい清潔なお湯のお風呂に入ったりすることができるのと同じように、快適なお通じライフを送れるという当たり前のことに幸せを見出だすんじゃないかな。

ちなみに下痢の部分を「毛虫を口の中に詰め込まれる」に変えてもほぼ同じ意味を表しますね。毛虫を口に入れるなんて、親が死ぬとかそういう次元の不幸を除いて、考え得る最低最悪の事態でしょう。最悪の状況を想定して挑めば、たいていの場合、良くない結果に対するショックを軽減することができると思うんです。たとえば貴方は好きな女の子に告白するとします。実行に移す前にシミュレーションをしてください。考え得るあらゆる結果を予想するのです。一、成功する。二、フラれる。三、毛虫を口の中に詰め込まれる。これで大丈夫!さぁ告白します。……ねっ?そんなにショックは受けなかったでしょう?だって貴方はフラれたけど、毛虫を口の中に詰め込まれるという最悪の事態には至らなかったのだから。予め想定した最悪の事態を免れた……それってとても幸運だと思いませんか?終電を逃しても、洗顔フォームと歯みがき粉を間違えても、一万円をドブに落としても、毛虫を口の中に詰め込まれなかったのならば、不幸を嘆く必要はないのです。さらにもし下痢でないならば、貴方はなんというラッキーボーイ!この世の生きとし生けるものに感謝し、父に、母に、兄弟に、そして神に平伏すが良いっ。



読書記録(29)  小林泰三『ΑΩ』
タグ:読書
posted by あいだ at 22:22 | Comment(3) | 空想する

2010/03/12 Fri

新番組くとひゅーるひゅー!


 不本意な死を遂げた者の魂がこの世に残留するのと、不本意な睡眠におちた私が夜中に何度も目を覚ます現象は、どこか似ている。

 「眠る訳にはいかない。まだやり残したことがあるのだから」

 しかし、どうすることもできないのだ。肉体は既に己の支配下にはない。まるで見えざる存在に操られているかのように、闇へと引きずられていく……それはどこか懐かしい、太古にこの世を支配していた大いなる存在……。


 起きてようと思ってたらいつの間にか寝ちゃって夜中に目覚めたけど起き上がって電気を消す気力もなくもうどうでもよくなった時、そんな宇宙的なものを感じます。嘘です。あいだでした。



読書記録(28)  小林泰三『密室・殺人』
タグ:読書
posted by あいだ at 22:22 | Comment(0) | 空想する

2010/01/14 Thu

思考回路を再インストール


どうしようもない妄想ばかりしている。


「シングルマザーになりたい」、というよりは小さい女の子と素朴な暮らしをしたい。ダブルマザーでもいいな。好きな女の子と子供を作って……って、危なすぎますね。最近のファブリーズのCMみたいに、高校生ぐらいの息子三人と暮らすのでもいいな。「母さんたらもう!風邪引いてる時くらい休んでよ!」とか言われてみたい。友達みたいな親子に憧れます。

「抱き枕になりたい」、両腕と両足と胴体にそれぞれ一人ずつしがみつかせたい。小さい子供じゃなくて、なんかこう、モフモフした生き物でもいい。毛虫とかは嫌だよ。体液とか撒き散らすのも困るよ。寝返り打って潰れたり、血吸われたりするのもちょっとやだな。頑丈で分別があってモフモフしてる愛らしい生き物を全身にまとわせて眠りたい。

「九官鳥に囲まれて四方八方から励まされたい」、「介護されたい」、「マシュマロでできた家に住みたい」………


どうやら私は、無条件に、優しくチヤホヤされることを望んでいるようです。


そういえば、ウジムシジュースの夢を見た数日後、また虫の夢を見たんだ。給食を食べていたら、黒くて太い五センチ強の芋虫三匹の佃煮?あんかけ?を追加された。動いてた。私は食べずに配膳台に戻した。この他にも定期的に虫の夢を見るよ。あと何でもない時に、毛虫が口の中に入ってきたり毛虫に囲まれたりするイメージを頭に浮かべて鳥肌を立てることもよくある。

視界に入るだけで精神的なダメージをくらうくらい苦手なはずなのに、何でこんなに考えてしまうんだろう。あの夢は何を表しているんだろう。フロイトに夢分析させたら虫が性的嗜好を表しているとか言われるのかな。「ウヒャア気持ち悪い」とか言いつつ寄生虫について熱心に調べてた時期もあったし、嫌い嫌い言ってるけど本当は好きなんじゃないの?もしかして、これが噂の、いわゆるひとつのツンデレでしょうか?夢に出てくるのは相手が会いたがってるからって言うし……ツンデレ好きの虫にとって私はアイドル的な存在なのかもしれない。実は私、深層心理では毛虫芋虫からチヤホヤされたいという願望を抱いているのかもしれない!


思わぬ方向に結論づけてしまった。いつか虫を恋愛対象として意識するようになってしまったらどうしましょう。毛虫に囲まれる愛の生活……新境地を、垣間見たっ。
タグ:
posted by あいだ at 23:22 | Comment(2) | 空想する

2010/01/05 Tue

タイノエ・ユング


鯛「腐ったから捨てて!」

2010年、一番笑わされた一言。

班ごとに缶ジュースのCMを考えて実演する授業をやった。私の班はウジムシジュース(正式名称は覚えてないが「ウジムシ」という表記があったのは確か)だった。ショッキングピンクと赤の中間色の缶に、それと同じ色の液体が入っていて、一口飲んだ後のツブツブとした食感(もちろん蛆虫の)が何とも言えない。しかし飲めなくはない。「ちょっと私は苦手かも」程度の感想。班員は皆やる気がなかった。出番の直前までCMは一切できていなかった。仕方ないので「私がごくごく飲むから適当に美味しいとか言っててよ」みたいな案を出した。我ながら何というドM発言。それじゃあ本番です、と呼ばれて、私は強引に目を覚ました。

起床後、ウジムシジュースなんてものは市販されていないし今後開発されることもない、というか有り得ないことに気付くまで五分くらいかかった。「常識とは揺らぎやすいものである」………本日の教訓である。おしまい。

posted by あいだ at 22:04 | Comment(0) | 空想する

2009/11/28 Sat

涙さえ致命傷だから泣きたいのも我慢してる強がりポケモン


イワークといえば「がまん」じゃないですか。私も我慢が十八番と言っていいくらいにストイックだと自分では思ってるんですよ。あと、どんなに我慢しても、いわタイプ+じめんタイプだから結局はみずタイプやくさタイプの技で瞬殺されるじゃないですか。そういう報われないところも似てると思うんですよね。それ以前に顔面イワークじゃねえかとか言われればまぁ、あれですけど。というわけで改めまして、あいだです、あいだです、花も恥じらう十九歳(イワーク似)、よろしくー。

……でもさ、そんな虚勢を張って欠点ばかりのイワークだけど、タケシとかシバには寵愛されてるよね。私がトレーナーだったら絶対使わないもん。それなのに大事な戦いで使い続けるってことは、タイプやスペックなんてどうでもいい、バッジorチャンピオンの勲章もいらない、勝ち負けや理屈じゃないんだ、俺のパートナーはお前じゃなきゃだめなんだ!くらいの愛があってこそだと思うんだ。そう考えると、ある意味一番の愛されキャラかもしれないな。だって最初のジムリーダー戦と四天王戦で出てくるってことは、あのゲームはイワークで始まりイワークで終わると言っても過言ではないよね。つまり、製作者にも愛されてるということか。……だめだ、そんな愛され要素は私にはない。弱い弱いってバカにしてたけど今はイワークが輝いて見えるわ。そして自分が、素敵な恋人がいて大事に愛されてる女の子をイジメて優越感に浸ってる性格ブス、みたいに思えてきた。試合に勝って勝負に負けてる。「がまん」もきっと「痛いけど今は耐えるのよ、そしていつか見返してやるんだから!タケシさん、わたし、がんばるよ!」って事なんでしょうね。シバの時は二匹出てくるから、「うーんとレベルアップしたし、妹も一緒だから負けないわ、今度こそわたしたちの強さを思い知らせてやるぞ!」って意気込んでるんだろうね。まぁ、「なみのり」とかで即死しちゃうんだけど。け、健気…!どうしよう、イワークがすごく愛しくなってきた…。イワークのためだけにポケモンやりたくなってきた。イワークを恋人にしてから始まる二人の物語。イワークとコンビニさえあれば他に何もいらない。まさにラブプラス。

いかん、ただの前置きが長くなりすぎた。今日はそれはもうスゴい出来事がたっくさんあったが、それをここに書くには余白が狭すぎる。よって、さよなら。Q.E.D

posted by あいだ at 22:22 | Comment(2) | 空想する

2009/10/17 Sat

笑いながら全裸で闊歩する日々へ



ひとりは楽だ。友達がいないならカラオケでつまらないポピュラーソングを歌わなくてもいい。恋人がいないなら冬場に服の下の毛を剃らなくてもいい。家族がいないなら家の中で服を着なくてもいい。パーフェクトリビングアローン。孤独でいて何を悩む必要がありましょう。

いつか書いたかしら。私は病を患っているんです。とくに支障はありませんが、発作は日常的に起こります。昔は月に一度、三週間に一度だったのが、最近ではほぼ毎日起こるようになりました。医者にかかったことはありません。家族に相談したこともありません。ひとりでありとあらゆる手を尽くしましたが症状はひどくなる一方で、もう隠すのも難しくなってきました。道行く人が不審な目で私を見ている気がします。醜い顔を隠そうとすると、さらに痛い視線が注がれます。そういった被害妄想はさらに症状を悪化させます。人と目を合わせなくなったのは何年前のことでしょう。道ですれ違う人の目を見て平気でいられる自信がありません。街を歩く時は耳に栓をしたまま三秒先の道だけを凝視して、視界に障害物があればどんな物であろうと(それがたとえ知人であっても)避けて、時々歯を喰い縛って顔の筋肉を引き締めます。夜はいくらか気が楽になります。雨の日は最高です。傘で顔を隠せばいいのです。おかげで明るい場所にひとりでいるのが怖くなりました。

私は楽になりたい。エネルギー最小の状態を好むのは自然の摂理でしょう?自分を楽にさせることは罪ではないはずです。ひとりはつらい。本当は、どこを歩く時にも隣に誰かがいてほしい。そうしたらこの病に悩まされることもありません。この異常な思い出し笑い癖も、隣に君がいてくれたら、不審に思われなくなるのになぁ。
posted by あいだ at 22:19 | Comment(4) | 空想する

2009/09/28 Mon

まな板に寝そべるセクシーなキミを思わず輪切り


ナマコストラップ!ていうのがあるんですって。本物のナマコを使ってるんですって。こう書くと真面目なマグカン読者は携帯にぶら下がる太くて長い物体から滴る液体でワイシャツがぬるっと透けてる女子高生を想像すると思うんだけど残念ながら違うんですね。乾燥してるからぬるっとしてないし三センチくらいに縮んでんだ。ズームインで見たんだけど。私はそれを見てふと中学生の頃に行った人体の不思議展を思い出した。人間を標本にして展示してるんですよ。はーとかおーとか思いながら見学して展示室を出るとお土産コーナーがあんのよ。標本のキーホルダーがあんのよ。そりゃ本物じゃないけれど。ナマコからしたらあのストラップ、そんな感じなんだろな。仲間の死体をちっちゃくして加工してファッション。ファー付の服を見るとウサちゃんかわいそうっていう人いるじゃん。ナマコストラップはナマコかわいそう?とは別に思わないけど死体なんか枕元に置いて寝たら夢に出てきそうだから、いらないわ。いくらかわいくても。魚介類フェチだけどミーハーじゃねんだよ。勘違いしないでくれよ。

生きてるうちに一度は本出したいと思うじゃん。勢いだけのギャグ一つだけでなんとか芸人として注目されて絶頂期の時に出せばいいと思うよ。私も出したいけど正攻法じゃ無理だもんな。作家としての腕を磨いてる時間があったらギャグ考えよ。その前にボイトレ通お。発声が大事だかんね。で、あわよくば歌手になるわ。聴いてください。「ナマコ」……ワン、ツー!
posted by あいだ at 10:19 | Comment(2) | 空想する

2009/09/05 Sat

まさにニトクリスの鏡だね


何もしてないのに猛スピードで逃げていく。それが夏休み。夏休みが幼女だとしたら、私はロリコンオーラ全開のオッサンである。ボボボボクはただ道を訊いただけなのになァ〜、って、グレーのTシャツに大きな汗染み作って全身を粘度の高い液体でコーティングした私は六日ぶりの外出に息が上がって鼻息も荒くれてる、いろんな意味で成人病、そんな職質ホイホイルックで夏休みタンをハァハァ追い掛け回してる。それが今なんだ!なんて的確かつ可愛らしいたとえ!女子ブロガーの鏡だね!

ばかばかっ。ども。あいだです。←これ書かないと「あれ?今日はあいださんじゃないんですか?」って疑われる、というか「今日はあいださんの中の別の人格が出てるんですか?」って疑われそうなので。あいだです。と言います。オンリーワンですのでご安心を。ご乱心を。人間として不安定すぎますね。チョット油断すると人間じゃなくなる、みたいな曖昧な存在なんだよね。絶対領域みたいな。ちょっと違うか?って、最近自分で何言ってるかよく分かんない。もう何も考えてない。あのさ、基本的に自分対自分の会話しかない。だから何言ってるかよく分かんなくても困らない。意思を伝達する方法をこの世のどこかに置いてきた。本当に誰とも会話してないの極みなんだよ。全くアンタは口から生まれたような子ねって言うけど私はたぶん口から死ぬタイプ。口、使用頻度:低、ってなる。プログラムの追加と削除の一覧。トークスキルをインストールしたい。どこでダウンロードできますか。あと虫歯かもしんないんだよねー。あ、あと髪をガアッと切りたいね。歯医者と美容院に行くタイミングを見計らって見計らって虎視眈々と草葉の陰からこう伏せた状態で息を潜めて夏休みタンを狙っております。スナイパー。

大丈夫か?なんか。病院行こうか?なんの。え、ひ、泌尿器科?ヒニョーキカってロシア人っぽいね!そうか?美容院行こうか。
posted by あいだ at 22:50 | Comment(0) | 空想する

2009/07/23 Thu

ごめん母さん、私またダメみたい


先日、司令官(脳内)のことを書きましたが、彼女は私の精神衛生上非常に重要な役割を果たしています。ただの鬼畜な美人上司(脳内イメージ)ではないのです。どうしようもないくらいマイナス思考に陥って、弱ってしようがない時、甘えるな雌豚と鞭で引っ叩いて下さるのです。そうして私は歯を喰い縛って現実に向き直ることができます。彼女は他人に対しても厳しく、義理人情の欠片もない情けない男はとくにお気に召さないようで、女を泣かせる男を見ては去勢してやろうかあの腐れ野郎カツオブシ喉に詰まらせて死ねというようなことを脳内で仰っています。もちろん彼女の叫びが私の口から洩れることは決してありません。言いたいことは全て彼女がぶちまけてくれるので、私は他人を憎むことなく、いい子でいられます。司令官がいなければ私はどうしようもなくダメな女(ギョウ虫)なのです。私は従順な奴隷でなくてはいけないのです。あぁ、どうか叱って下さい…。


新境地すぎますね。そんな一人百合SMを妄想しながら昼寝ばっかりしてました。母が休みだったので買い物手伝うって約束して、食後に昼寝したら、買い物に行く為に服を着替える夢、昼寝するなら私一人で行くよと母に言われる夢、起きたいのに体が思うように動けない夢、他買い物関係の夢七本立てくらいを短時間で連続して見ました。ひとつ夢が終わる度に起きて、相変わらず母がパソコンに向かってるのを見て、あ夢だったか…って安心してまた眠る、その繰り返し。本物の買い物にはちゃんとお供しました。うん、今日も楽しくてよかったね!
タグ:
posted by あいだ at 22:22 | Comment(3) | 空想する

2009/07/07 Tue

短冊2009



かけると何でも炭火焼きっぽくなるタレがあったらいいのに。そしたら肉類はもちろん、タマネギからチョコまで、古今東西森羅万象花鳥風月焼肉定食五穀米、あらゆる物にかけて食べるのに。


あいだ
posted by あいだ at 08:23 | Comment(0) | 空想する